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「ギン!」
目の前で乱菊が微笑んでいる。ここに君がいるはずなど絶対にないのに。
あぁ、これは夢の世界か。だって君は幼いあの日の君だ。
「ギン、どうしたの?」
どうもしない。君がいることが嬉しくて。
「へんなのは名前だけにしときなさいよ?」
相変わらず厳しいなぁ、乱菊は。あのころに戻ったみたい。
「戻りたいの?」
今こうして君がここにいてくれたらそれでいい。
「嘘つき」
どうして?
「あなたが会いたいのは、今の私でしょ?」
戻れるはずなんてない。だから今は君とこうしていたい。一番幸せだったころの君と。
「私が幸せにできるのはあのころのギンだけよ。甘えないで」
そっくりだね、今の君と。
「当たり前でしょ。私は私だもの」
なら教えて。どうしたら僕は幸せになれる?
「そんなの自分で考えて」
あぁ、やっぱり君は君だね。
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